おまたせガンダム

kakeru33072004-06-17

「THE ORIGIN」。モビルスーツなどのメカはイマドキ風にブラッシュアップされてるのに、銃器のデザインに関しては、どうひいき目に見ても80年代の東ヨーロッパレベルで興ざめ。
それから、宇宙軍はともかく、連邦やジオンの地上軍の戦闘部隊が、迷彩服を来ていないのはヘン。

写真は、来年からアメリカ陸軍が採用するデジタルパターンの新迷彩BDU。これ一着で森林、砂漠、市街地をカバーできる……らしい。
小銃は米軍がトライアル中の試作品(H&K XM-8)。

……コラージュって初めてやってみたけど、まそれなりになるもんだなあ。

それよりも何よりも、登場人物の私服はなんで70年代テイストのままなんだろ? あんな人たち21世紀にもいません。

ガンダム the Movie DEEP FILE 2 黒船来航、そして制作スタート

前回 (「ガンダム the Movie DEEP FILE 1 実写版ガンダム、大地に立つ!」参照)は実写版ガンダムの企画の具体化から、衝撃の製作中止発表、そして……といったあたりまでをお届けした。
今回も、当時最前線で現場を担当されていた、バンダイ版権事業部ヴィジュアルグループリーダー・安藤浩一さんに話を聞いた。

  • 制作会社が白紙、そのときの現場の状況は?

「不幸中の幸いだったのは、スポンサーの方々の大半はそのまま応援してくださっていたことでした。でも、松竹さんということで決まっていたスタッフやキャスト、例えば中村吉右衛門さんのパオロ艦長とか、市川染五郎さんのブライトから何から何まで一切白紙です。そうなると正直手のつけようがなくなってました(安藤さん・以下同様)」

  • そこに強力な援軍が「黒船」として来航する。

FedEXがある日届いて、受取人の欄に住所と「BANDAI GUNDAM」しか書いてない(笑)。品目の所に「DVD」って書いてあったから、どうにかウチの部署(ヴィジュアルグループ)に届いた。
で……差出人に驚くわけですよ。みなさんが想像されている“あの兄弟”で間違いないです。でも、これは本当に明らかにできないんです。
いろんな噂が立ちましたけど、これは彼等が現在製作中の映画の契約上の問題で、トラブル的なことががあったからじゃないんです。
彼等のクレジットをアラン・スミシートーマス・リー・スミシー兄弟にしたことで、誤解や憶測を生ませてしまったのは失敗でした」

  • サンプルムービーの内容は?

「基本的にファーストガンダムの第一話の最初のシーンをフルCGで作ったものでした。なぜかそこに『F91』の空飛ぶ回転ノコギリみたいな殺人メカも出てきて、やっぱりこの人たちはサイバーなメカが人を襲うのが好きなのね、って(笑)。
とにかく、メカがどうこうというよりも、コロニーのミラーの質感とかがものすごいわけですよ。それで腹を決めました。もうコレを世に出さないでどうする、と。
それからはアメリカに飛んで契約を詰めるのと、対映画会社さん、スポンサーさんへの営業っていうか、働きかけを平行して進めたんです」

  • 映画会社は最終的に大映に決まる

「一つは徳間出版さんのライン。あと、『イノセンス』も結局はジブリさんのスキルが必要だったわけで、同じ事を考えたときにそのへんの環境をスムーズにしておきたかった。
映画会社が決まったとなると、いろんな所から売り込みがあるわけですよ、キャストもスタッフも。
うれしかったですね……ああ、やっぱりガンダムなんだな、みたいなことをつくづく思いました。
その声に全て応えられなかったのは本当に申しわけなかったんですけれど、それこそウチだってGacktさんのシャア、西川(貴教)さんのガルマ、っていう当初案は実現させられなかったわけで……でも、彼等と、それから釈(由美子)さんには、もっとベターな形で参加してもらえたと、今は思ってます。

  • キャスティングについてもう少し教えてください。

それこそ、手を挙げてくださった方たちで全部撮ることもできたぐらいだったんですけれど、それはあえて止めよう、そういう“ガンダム同窓会”みたいなワクに収めちゃいけない、と。そういう基本線がありました。
我々は大マジメです、というのを目に見える形で世界にアピールしたかった。
そこから、アカデミー、カンヌ級のスタッフやキャスト、世界公開された映画に出演経験のある人に、どんどん出演交渉をしていこう、というスタンスができたんです。あとはもうあたって砕けろで(笑)。
音楽の坂本竜一さん、衣装のワダ・エミさん。それから丹波哲朗さんにはごく初期段階から交渉させていただいてたんです。
渡辺謙さんも、最初はランバ・ラルで、って話だったんです。でも、その頃にはもしかしたら二作目も? ってムードになってたんです、現場だけは(笑)。そうなると次は渡辺さんにたくさん出てもらわないといけない。
例のテロでバットマンのクランクインさえ延びてなければ……スケジュール的に今回しかなかったんです。それで渡辺さんにはちょっとイヤな役回りをしていただくことになってしまったんですけれど。
アジア各国からの出演者も、もちろん国外へのアピールはあります。でも、そういう形で無国籍な雰囲気を強調できるかな、というのもあったんです。支那語や韓国語のセリフは最初はアフレコで吹き替えの予定だったんですけど、もうスーパーでいこうと、この勢いみたいなものを大事にしよう、って。編集段階での話ですけどね。
監督にしても、北野武さん、っていう可能性も充分にあったんですよ。今回(二作目「JABURO」)たけしさんに出演していただけたのはそんなご縁からです。

    • 次回(明日)は監督、脚本などの決定の過程に迫ります!

次回(明日)いよいよ、スタッフとフルキャストの発表!

このエピソードは全てフィクションです。登場する人物、団体名は全て架空のもので、実在する人物、団体とは一切関係ありません。